こんにちは、日本でも新型コロナウイルスの患者数が日に日に増えております。
ご自宅でも社会生活でもストレスが大きい中、感染対策、外出自粛お疲れ様です。
そんな中ではありますが、日々の健康のため心がけたい情報を発信をさせていただいております。
青木内科かわら版 第二回は血圧についてです。
皆様が健診を受けられるとき、必ず測定する血圧。いろんな病気の中でも身近で、大したことのない病気と思っている人も多いかもしれません。
ですが、高血圧の患者さんは日本全国で約4300万人(2017年)いるといわれており、様々な研究で『血圧』が高ければ高いほど脳血管疾患・心血管疾患の死亡率が高いとわかっています。血圧とは血管にかかる圧力ですから、
血圧が高い=体中の血管が負担を受けることとなり、血管の老化(動脈硬化)も早く、脳出血・脳梗塞、心筋梗塞・心不全、腎不全などのリスクが上がってしまうのです。高血圧があまり深刻に感じられない理由は、直接的な被害を実感できないからかと思いますが、様々な病気を引き起こす最も健康被害の大きい病気の一つです。
『血圧』というのは何のことを指すのでしょう。
血圧は血圧じゃないの?と、思われるかもしれませんが、血圧は時間や状況によって変化します。
「診察室血圧」、「家庭血圧」という言葉はご存じでしょうか。
・診察室血圧=病院などの医療機関で測る血圧(高血圧とされる基準140/90以上)
・家庭血圧=家庭で測定する血圧(高血圧とされる基準135/85以上)
もちろん、血圧は血圧なのですが、より将来の病気のリスクと関係しているのはご自宅で測っていただく家庭血圧です。
家庭血圧は問題ないのに診察室血圧だけが高い方を白衣高血圧といいますが、その場合はそれほど病気のリスクは増えません(家庭での高血圧に移行する可能性は指摘はされているので注意は必要ですが)。
このような理由から、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2019においても、「家庭血圧を指標とした降圧治療の実施を強く推奨する」といわれています。
診察において、家庭血圧を教えていただくのは、本当の病気のリスクに関係した血圧を把握して、正しく血圧を管理していただきたいからです。
さらに家庭血圧を測ることで、自分の血圧をあげてしまう原因に気が付くことがあります。
仕事が大変だった夜は血圧が高い。寝不足の日の朝は血圧が高い。寒い日は血圧が高い。塩分の高いご飯を食べた日は血圧が高い。飲みすぎた翌朝は血圧が高い・・・など、血圧をさげるためのヒントを得られることがあるのです。
ご家庭にいていただくことが多い昨今でありますが、家庭での血圧をしっかりはかって記録していただく習慣をつくって、健康を見直していく一つの機会ではあります。
次回、血圧を下げるための生活習慣について発信させていただきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
家庭血圧の正しいはかり方
朝と晩に測りましょう。
・朝 起きてから1時間以内 トイレは済ませて、座って1-2分安静にしてから。朝ごはんや薬を飲む前に。
・晩 寝る前 座って1-2分安静にしてから。
1-2分間隔をおいて、2回測定し、その平均値を記録してください。
※血圧が高い場合、数回測りなおす事は良いですが、測りすぎると血流が阻害されて下がってしまうおそれが
あります。数回測りなおしたら、最初の高い値からその値をすべて書いて持ってきていただければ、と思います。
青木内科 青木 聡一郎